絹の風合い、光沢、色彩は現在の化学技術を持ってさえ、作り出すことができません。
その神秘的な美しさから、「繊維の女王」と呼ばれています。
絹は蚕(かいこ)が吐き出す糸から作る「繭(まゆ)」を利用しています。
繭から繰り出された繊維を生糸といいます。
図1に示すように、生糸の断面を見ると2本のフィブロインの周りを
セリシンが覆っています。
この状態では手触りが硬く、光沢もないため石鹸などで洗浄して
セリシンを除去して使用します。
この工程のことを精錬といいます。

◆図1

 
・美しい光沢としなやかさ
 絹の断面は三角形をしています。光があたるとプリズムの役割をはたし多彩な反射・透過光を造りだします。
・美しい色
 染料がたくさん繊維の中に入るので鮮やかに染まります。
・着心地が良い
 汗や水蒸気を吸ったり、発散させる性質が優れています。
・美しいドレ−プとシルエット
 繊維にコシ、弾力性、重さがあるためきれいなラインがでます。

◆かいこ・・・

 
・摩擦に弱い
 図1に示したように、絹繊維のフィブロインは、フィブリルという細い繊維が束になってできています。
 摩擦されると、フィブリルがバラバラになり毛羽立ったり、白化します。
 湿っている状態での摩擦は現象が顕著に出ます。
・色落ちしやすい
 きれいな色に染まりますが、濃色品は摩擦や汗などで色が落ち、
 他の物に色がつくことがあります。
・紫外線に弱い
 蛍光灯や太陽光線で、黄変したり、退色したりします。
・虫喰いにあいやすい
 動物性繊維(たんぱく質)の絹は繊維害虫による喰害を受けやすいです。
・カビが生えやすい
 湿気の多い季節にはカビが生えやすいです。
・汗や水ジミができやすい
 絹の吸水性が大きいことは優れた性質ですが、
 汗や水でシミが発生することがあります。


 
通常、絹は飼育されたものを言いますが、野外に放し飼いにされたものも一部使用されています。
有名なものに天蚕(てんさん)、柞蚕(さくさん)があります。