衣類の素材
スリット糸を使用したピンクのニット。
数回着用したら、所々色が濃くなり光沢が無くなった。(図1〜3)

         図1:事故部

         図2:事故部

         図3:正常部

スリット糸を使用した、ベージュのニット。
クリーニングしたら、所々光沢がなくなりオレンジ色になった。(図4〜6)

         図4:事故部

         図5:事故部

         図6:正常部

スリット糸を使用した水色のニット。
数回着用したところ、所々光沢が無くなった。(図7〜9)

         図7:事故部

         図8:事故部

         図9:正常部


一般的にスリット糸は、ベースフィルムの上にアルミニウムや銀等の金属を真空蒸着させ、その上から樹脂をコーティングした「ワンプライ」と金属の両側をフィルムで挟んだ「ツープライ」のものがあります。上下をフィルムで挟んだ「ツープライ」(図10)の構造は金属の層を両側からフィルムで挟んだ構造であり、ワンプライに比べ耐久性のある構造と言えます。
スリット糸は光沢感が特長ですが、反面、酸性物質や汗等が長時間付着した状態にあると金属が酸化したり溶解したりして脱落する性質があります。今回のケースもこの金属の酸化脱落によるものです。
色が濃く見えたりケース2のようにオレンジ色に見えるのは、金属の脱落により、金属を挟んでいるフィルムの色が目立つようになるためです。

     図10:ツープライのスリット糸

 
ケース1とケース3は長時間の汗の付着による影響と考えられます。
ケース2はシミ抜き剤やパラジクロルベンゼンを使用した防虫剤等
と接触していた事が考えられます。
 

水洗いはドライクリーニングに比べ汗成分が除去し易いので、
水洗い可能な表示が付記されているものは、出来るだけ水洗いしましょう。
また、汗が付着してから時間をおかずに、すぐにお手入れされる事をお勧めします。
スリット糸を使用した製品には、スリット糸についての注意表示が付記されているので、内容を確認しましょう。

スリット糸を使用した製品です。